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「新世紀エヴァンゲリオン」
(1995~1996年/テレビ)
【配信:アマゾン】
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SFアニメ。人間型兵器エヴァンゲリオンの操縦士に選ばれた少年・少女の物語。庵野秀明(あんの・ひであき)監督。登場人物の内面が細かく描かれているのが特徴。略称「エヴァ」。
1995年秋から半年間、テレビ東京、テレビ大阪系で半年間放映された。テレビの平均視聴率は7%程度で低迷した。しかし、その後、映画化されるころに大ブレークし、社会現象になった。
映画版は2021年まで断続的に制作・公開され、完結編となるシン・エヴァンゲリオンは興行収入が100億円を突破。ファンからも高い評価を受け、有終の美を飾った。
【物語】
舞台は2015年の第三新東京市。人間社会は15年前に起きた「セカンドインパクト」と呼ばれる大災害から立ち直りつつあった。しかし、そんな人類に、正体不明の巨大な生命体「使徒(しと)」が襲いかかる。
迎え撃つ国際武装集団「ネルフ」は、使徒に唯一対抗できる人型兵器エヴァンゲリオン(エヴァ)を出動させる。
エヴァは、パイロットと神経が同調することではじめて操縦が可能となる。パイロットに選ばれたのは、シンジ、レイ、アスカ。いずれも14歳の少年少女だった。
次々と攻め寄せる使徒。シンジたちは身も心も傷つきながら戦う。
【エヴァ現象】
謎が謎を呼ぶストーリー展開が醍醐味だった。多くの疑問が未解明のままテレビシリーズが終了したため、話題となった。テレビ放送終了から1年後の1997年春、テレビ版の続きとなる映画「シト新生」が公開された。125万人を動員するヒットとなった。1997年7月には、完結編の後半となる「Air/まごころを、君に」が封切りされた。
このころから、ビデオやキャラクターグッズなど関連商品の売れ行きも急増した。「あんたバカぁ?」「逃げちゃだめだ」などのせりふが、一部の若者の間で流行するなど、「エヴァ現象」を巻き起こした。
<主題歌(高橋洋子)>
<次回予告集>
エヴァの映画一覧(歴代)→
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「風の谷のナウシカ」
(1984年/映画)
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後に「アニメ界の巨匠」と評されるようになる宮崎駿監督の名を一躍高らしめた記念碑的作品。
人間は自然とどう共生すべきか。宮崎駿作品の主要テーマはここから始まった。1984年の作品にもかかわらず、現代社会のゆがみを描いた内容は、古びるどころか、より現実感を伴って迫ってくる。ち密に描かれた動画も魅力的だ。
有害な毒を発する森を舞台に、人間と自然との共生を描いた。父を殺された姫ナウシカ(声・島本須美)が、平和を取り戻すために立ち上がる。
【物語】
舞台は産業文明が滅んだ後の世界。人々は「腐海」と呼ばれる、毒と奇怪な虫に満ちた地帯から脅威に面しながらも、相変わらず戦争を続けていた。
そうしたなか、とある大国が、前文明を滅ぼした究極の破壊兵器「巨神兵」をよみがえらせ、腐海を焼き払おうともくろむ。だが、毒の海はまた、命をはぐくみ地上に清浄をもたらす循環の要でもあった。
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「天空の城ラピュタ」
(1986年/映画)
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スタジオジブリの第1回作品。宮崎駿監督。冒険ファンタジー。素朴ながら、美しい絵。アニメならではのスピード感ある逃走劇はハラハラの連続。童話『ガリバー旅行記』に登場する天空の浮島がモデルになっている。
空飛ぶ乗り物の数々など、宮崎作品特有の独特なメカニックを見ているだけで心が踊る。また、ヨーロッパの古城を思わせる緑豊かな城と、人間を近寄らせない無機質さが共存した「ラピュタ」
の造形はジブリ作品ならではの美しさで表現されている。これらの描写すべてに、宮崎監督の思いが詰まっている。まさに宮崎作品の魅力が凝縮されている。後に「千と千尋の神隠し」で表現される<不思議な世界>への憧れも感じとれる。
【あらすじ】
山奥の小さな村でひっそりと暮らす少女・シータは、謎の男たちにさらわれ、飛行船に乗せられる。
さらに、その飛行船が、空の海賊に襲われた。シータはそのドサクサで飛行船から落下してしまうのだった。
一方、さびれた鉱山の町で機械工として働く少年・バズー。彼が作業場で後始末をしていると、そこにフワフワと浮きながらシータが空から落ちてくるのを発見した。
こうして出会ったシータとバズー。バズーは亡き父の名誉を守るため、空に浮かぶ伝説の帝国「ラピュタ」の謎を追っていた。
2人は、天空のどこかに存在するというラピュタを目指す。
<主題歌(井上あずみ)カバー>
<予告編>
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「機動戦士ガンダム」
(1979~1980年/テレビ)
【配信:アマゾン】
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宇宙と地球を舞台にしたロボット・アニメ。1979年のテレビで初放映された。放送終了からしばらく後に爆発的なガンダムブームを巻き起こした。子供から大人まで根強い人気を誇る長期シリーズとなった。
未来世紀、宇宙に向かって居住空間を限りなく広げていく地球連邦政府と、宇宙植民地サイド3(ジオン公国)との間に繰り広げられる戦いが、ストーリーの骨子。人類の半数以上が地球周辺に浮かぶ衛星都市に生活する時代の話だ。その一つが反乱を起こし戦乱の中、戦闘ロボット「ガンダム」
が連邦軍の秘密兵器として登場する。
ガンダムを操る主人公アムロら若者たちが、冷厳な戦いの中で成長する姿を描いている。キメ細かいメカの設定と心理描写が人気の秘密だ。
テーマは地球環境破壊。「増え過ぎた人類は、地球に対して罪滅ぼしできるのかを問いかけた」(富野由悠季)という。
だが、最初のテレビ放映はさんざんだった。一年間52本の放送予定が、低視聴率のため42本で打ち切られる。しかし、放送が終わったところからガンダムの壮絶なブームが始まる。
一部に熱狂的なファンがいたことに目をつけた大手がん具メーカー「バンダイ」が、キャラクターの商品化に乗り出したところ、これが大当たり。驚異的なヒット商品になった。
1981年から1982年にかけてテレビシリーズを一部加工・編集した映画3部作が公開され、3本合わせて観客730万人を動員。約30億円もの配給収入を記録した。
プラモデルにも人気が殺到し、品切れ続出になった。
<主題歌(池田鴻)>
<予告編>
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「ルパン三世カリオストロの城」
(1979年/映画)
【配信:アマゾン】
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宮崎駿が手がけた初の劇場版長編作品にして、彼の魅力がすべて詰まった不朽の名作。
物語の舞台は、ヨーロッパの小国・カリオストロ公国。世界中で流通する偽札を追ってカリオストロを訪れたルパンと次元は、謎の男たちに追われる美少女・クラリスと出会う。亡き大公の娘である彼女は、国の実権を狙う伯爵と政略結婚をさせられそうになっていた。結婚を阻止するため、ルパンはクラリスが閉じ込められた塔を目指すが…。
待ち受けるのは、情け容赦ない伯爵と不死身の刺客たち、脱出不可能な地下牢(ろう)。そしてルパンを追って銭形警部も公国に到着。クラリスを助け出し、偽札の真実を暴くため、ルパンたちと伯爵一味の総力戦が幕を開ける。
声優は、山田康雄を始め、テレビシリーズでおなじみの面々。ヒロインのクラリスは、その後「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」など宮崎作品の常連となる島本須美が、カリオストロ伯爵は「新・刑事コロンボ」などの声優としても活躍する俳優の石田太郎が担当している。
<主題歌(ボビー)>
<予告編>
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「蟲師(むしし)」
(2005~06年/テレビ)
【配信:アマゾン】
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異形の生命体「蟲(むし)」とヒトとの奇妙な交わりを描いた。フジテレビ系で20話が放映された。
原作は講談社「アフタヌーン」に連載された漆原友紀の漫画。
それまでの妖怪漫画と異なる大きな点は、まず背景となる世界観にある。登場人物の大半が着物で、漠然と明治ごろを思わせるが、舞台は山村や漁村ばかり。文明の利器は一切出てこない。
そんな淡彩の世界を、白髪・隻眼の蟲師ギンコが飄々(ひょうひょう)と行く。背中の木箱には「蟲封じ」のための奇妙な道具がぎっしり。彼は、蟲がヒトに引き起こす様々な障りを治療する「医者」であり、蟲の生態を調査する「学者」でもある。
蟲とは、微生物などよりさらに「生命の原生体に近い」モノとされ、様々な形態を持ち、普通のヒトの目には見えない。時に一村を滅ぼすほどの災害を起こすこともある。
<主題歌(Ally Kerr)>
<特別篇の予告>
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「攻殻(こうかく)機動隊 STAND ALONE COMPLEX」
(2002~03年/テレビ)
【配信:アマゾン】
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衛星放送(CS)スカパーのアニメ専門チャンネル・アニマックスが、2002年10月から2003年10月まで、毎月2話ずつ、有料(ペイパービュー方式)で放送した。略称は「攻殻SAC.」。
原作は、士郎正宗のSF漫画「攻殻機動隊」。
同じく「攻殻機動隊」を原作とする映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995年、押井守監督)続編ではない。
時代設定はむしろ本作のほうが早期の設定になっている。
本作では、押井守監督の薫陶を受けた神山健治監督ら若手中心のスタッフが、1話完結を基本とした刑事ドラマとして新たな物語を描いた。
2030年、情報ネットワークとサイボーグ技術の発展により、複雑・巧妙化した犯罪に対応するため誕生した公安9課、通称・攻殻機動隊。全身を義体化した草薙(くさなぎ)素子らメンバーは、政治家の汚職摘発から凶悪殺人の捜査までさまざまな任務をこなす。
SFながら分かりやすく、しかも伏線を多数巡らせた奥深い展開は、緻密(ちみつ)な描写で、見る者を圧倒する。2004年3月公開の押井監督の続編映画「イノセンス」を、より楽しむためにも必見だ。
<主題歌(Origa)>
<オープニング>
動画(第1話)→
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「となりのトトロ」
(1988年/映画)
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宮崎駿監督の作品の中でもダントツに人気がある劇場版アニメーション。昭和30年代の農村を舞台に、2人姉妹と森に住むオバケ「トトロ」の交流を描く。
小学6年生のサツキと4歳の妹メイは、学者の父親とともに水田の広がる村に引っ越してきた。お化け屋敷のようなぼろ家に、二人はおおはしゃぎ。ある日、メイは庭で二匹の不思議なオバケと遭遇。後を追うとそこには大きな「トトロ」が眠っていた。
オバケの存在を楽しみ、受け入れられるのは心がまっすぐな子どもならでは。愛きょうたっぷりのトトロは子どもたちの想像力をかき立て、大人たちは二人の少女に自身の子ども時代を重ねる。
アメリカではディズニーの作品が数々のオスカーを獲得しているが、毎日映画コンクールやキネマ旬報で一般劇映画を抑えて日本映画大賞、作品賞などを受けた。映画界の衝撃は大きい。
宮崎駿監督は当時「25年もアニメをやって来ましたが、宇宙戦争でドンパチやるSFでなくても、アニメって無国籍なんですね。日本のアニメを作りたい、ナショナルなものこそ最もインターナショナルなはずだとか考えて、13年前から『となりのトトロ』の企画はあったんですけど、SFでなく地味なので、どこの会社も引き受けてくれず、やっと徳間書店が実現させてくれました」と語っていた。
<主題歌(井上あずみ)>
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「鋼の錬金術師」(はがねのれんきんじゅつし)
(2003~04年/テレビ)
【配信:アマゾン】
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通称「ハガレン」と呼ばれる。錬金術師の兄弟の苦難の旅を描いた物語。TBS系の地上波テレビで1年間放送された。
錬金術が強大な力を持つ軍事国家。エドとアルのエルリック兄弟は、病死した母親を生き返らせようと、最大のタブー「人体錬成」に挑んで失敗する。エドは右手左足を失い、アルは肉体を失い鎧(よろい)だけの存在に。兄弟は自分たちの体を元通りにするため、「賢者の石」を求めて旅を続ける。
原作は荒川弘(ひろむ)の漫画。 スクウェア・エニックスの少年漫画雑誌「ガンガン」に連載されていた。アニメ化とともに漫画本も大ヒット。マンガ大手でない出版社のコミックとしては異例の売れ行きとなった。
東京国際アニメフェアの東京アニメアワード(テレビ部門)で優秀作品賞に輝いた。
<主題歌(ポルノグラフィティ)>
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「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」
(1995年/映画)
【配信:アマゾン】
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2030年、情報ネットワークとサイボーグ技術の発展により、犯罪も複雑、巧妙化していた。多発するテロやハイテク犯罪に対応するため誕生した公安9課・通称「攻殻機動隊」のサイボーグ・草薙素子らのメンバーは、政治家の汚職摘発などの任務をこなしながら、治安維持に奔走する。
原作は士郎正宗の漫画で、その膨大な情報量と細密な設定は、圧倒的な世界観を作り出している。
世界で同時公開された。和製アニメで初の快挙だった。ディズニー以外のアニメが世界マーケットで通用することを裏付けるものとして反響を呼んだ。
コンピューターネットワークが張り巡らされた近未来で、脳以外の器官をサイボーグ化された特殊部隊が凶悪犯罪に対抗する-という内容。
製作費6億円をかけ、日本のアニメ製作で初めて、画像とサウンドをすべてコンピューターに取り込んでデジタル処理する「アビッド編集システム」を採用。CG(コンピューターグラフィックス)やデジタルビデオ合成シーンもメディア特性を生かす形でさりげなく多用した。
和製アニメは近年、日本国内でも評価の高い宮崎駿、押井守、大友克洋監督らの劇場用作品のみならず、「セーラームーン」などのテレビアニメも海外で非常に注目されていた。
欧米でも劇場公開された大友監督の「AKIRA」のビデオは、欧米で32万本以上も売れた。
「攻殻機動隊」についても日本のアニメ関係者の間で「映像処理や空間表現のざん新さなど、すでにディズニーアニメを超えたと言ってもよいのでは」という自信の声が聞かれた。
アメリカ映画「マトリックス」を監督したウォシャウスキー兄弟が、マトリックスを製作するうえで影響を受けたと言われる。
<主題歌>
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