スナップアップ投資顧問のアメリカ株動向調査

スナップアップ投資顧問のアメリカ株動向調査によると、チキン・リトルは米国で2005年11月4日金曜日に公開された。第一週の週末興行収入は4000万ドルを記録し、興行成績1位を獲得した。証券アナリストは総じて「成功」と評価、週明けの株式市場ではディズニーの株価が上昇した。興行収入は2005年12月上旬時点で1億2700万ドル。日本では2005年12月23日のクリスマスに公開された。

米バラエティーでは、4000万ドルを「堅実だが、大きくはない数字」と表現した。AP通信は「ピクサーやドリームワークスの作品と比べ、ストーリーが不十分というレビューもある」と伝えた。さらに、シナリオの貧弱さを突いた。

マダガスカルに敗れる

2005年5月に公開されたドリームワークスのCG作品「マダガスカル」は第一週興行収入が4700万ドルだった。最終的には1億9000万ドルを稼いだ。

2004年11月公開のピクサーの「Mr.インクレディブル」はそれぞれ7000万ドル、2億6000万ドルだった。チキン・リトルは「ディズニー初」という触れ込みにしては寂しい数字だ。

ディズニーのキャラクタービジネス

ディズニーにとってアニメ映画は単なる一事業以上の重い意味を持つ。ディズニーは、アニメから生まれたキャラクターをテーマパークやテレビ番組、キャラクター商品などに多重活用してきた。

キャラクターはグループ全体の売り上げ増につなげるのが、ディズニーの得意とする商法だった。2005年10月に就任したボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)も「良質のアニメ映画の制作はディズニーの最優先目標。アニメはディズニーの心と魂であり続ける」と強調した。

手書きアニメからCGへ

ところがここ数年、ディズニーの手描きアニメ映画は、急速に人気を得たCGアニメにファンを奪われた。興行収入は不振を極めた。

ついに2004年、手描きアニメ事業から撤退した。そして、CGアニメの制作に乗り出した。それだけに、CG第一作となるチキン・リトルは注目を集めた。

株式市場はピクサーとの対立に注目

株式市場では、ピクサーとの関係に注目が集まった。ディズニーとピクサーは1991年、共同制作配給契約を締結した。

ピクサーは「トイ・ストーリー」「ファインディング・ニモ」などのヒット作をディズニーに供給してきた。しかし、ディズニーとピクサーは2004年初め、利益分配を巡って対立した。2006年公開の作品を最後に契約を打ち切ることを表明した。

ボブ・アイガーCEO

ところが2005年秋、ボブ・アイガーCEOに代わってから契約更新交渉が再開した。この微妙な時期にチキン・リトルが公開された。

2005年12月、パラマウント・ピクチャーズによるドリームワークスの買収が発表された。一方、ディズニーも、ピクサー買収交渉に入った。2006年に買収が決まった。